遠回りして気付いた想い
オレよりも前に会って、そこまで想ってるのか。

だが、想いは年月じゃねぇ。

どれだけ、相手を想ってるかだよな。

「これは、極秘なんだが……。遥さん、どこかの御曹司らしい。詳しくは、俺も知らないが、な」

兄貴が、真顔でそう言う。

何。

それって、お坊っちゃまってことか?

「まぁ、俺が、遥さんの事で知ってるのは、これぐらいだ。役に立てたか?」

兄貴が、少し困った顔をする。

まぁ、あんだけ大袈裟に良いながら、婚約の事と御曹司かもって事、性格の事しか分からなかった。

「あぁ、ありがとう。兄貴」

オレは、お礼を言う。

「おう、気を落とさずにアタックするのみだ。お前の方が、彼女との距離が近い筈だ。年齢的にもな。頑張れよ」

兄貴は、それだけ言って、部屋を出て行った。

兄貴は、応援してくれてるんだと思った。
< 90 / 111 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop