クールなCEOと社内政略結婚!?
 翌朝――眠れなかった私は早々とベッドから抜け出し、コーヒーを淹れながら孝文が部屋から出てくるのを今か今かと待ち構えた。

 カタンと音がした方を見ると、ジャケットを羽織りながら孝文が寝室から出てきた。

「おはよう。コーヒー飲むよね?」

 なるべくいつもと変わらないように声をかけた。冷静にと自分に言い聞かせる。

「いらない」

「え?」

 いつも時間が無くてもコーヒーだけは飲んでいくのに……。

「でも、せっかく淹れたんだから」

「必要ない。それよりあさ美、お前昨日は随分遅かったみたいだな」

「あ……うん。ちょっと飲みに行ってて」

 まさか咎められるとは思っていなくて、声が小さくなる。

「誰とだ?」

「しゅ――」

 俊介と答えそうになって、口をつぐんだ。やはり自分の妻が異性と遅くまで飲んでいたとなると、あまりいい顔はしないだろう。

 それに誕生日のときも、俊介と一緒にいることをよく思っていないようだった。

「言えない相手なのか?」

「違う……けど」

 はっきりしない私を孝文が睨む。

「男と飲みに行って、あんな時間になるなんてどういうつもりだ。俺の嫁だって自覚ないのか?」

「どうして……知ってるの?」

「ふたりが歩いてるのを見たんだ。そのあとお前の携帯に電話してもつながらなかった」

 ハッとして思い出す。バッグに入れっぱなしで一度も確認していない。
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