空から雨が降る日。【完】



空雨、俺はどうしたらいい?

どうしたら俺はお前を―…


苦しくて、こぶしをぎゅっと握る。
この感情をどこにぶつければいいか、わからずただ布団にどす、どす、と鈍い音を立てながらぶつけていく。


―俺が雫を救いたい―


ただそれだけなのに、それがうまくいかない。


なあ、頼むよ空雨。
雫の傍から、離れてやってくれねえか。

お前が苦しんだ分、いやそれ以上にあいつは苦しんでるよ。



頼む、頼むよ、空雨。


―…止んでくれよ




俺は外で降り続いている雨に向かって、今にも消えそうな声でそう、呟いた―


晴太Side END

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