空から雨が降る日。【完】
*~Ⅶ~*



それから、毎日のようにあの時の会議ででた案をまとめた。

晴太がいるところの会社の人たちと一緒に出した案。
それを提出する会議はもう遂に明日に迫っていた。

「しーずくっ」

「あ、優子!」

「なにそんな怖い顔しちゃって」

「あ…、明日、企画会議だなって思ったらつい…」

「大丈夫だよ。ね。今日なんか美味しいもの食べにいこ」

「あ、…うん、いく」

ここ最近、外でご飯を食べることが少なくなった。
…前まではほとんど毎日、だったのに。

なんでだろう、なんて考えても答えに辿り着くのはひとつで。

あぁ、そっか。
晴太と一緒にいなくなったからだって、実感する。

だけどそれは晴太がおおきな仕事につくからであって。応援すると決めた。

それに、前みたいに、もう苦しい気持ちにはならなかった。
晴太がどれほど凄い人なのかをこの前、知ったから。

「よし、いこ!」

残業をしていた私と優子はやっとの思いで、必死に終わらせて鞄を持ち事務所を出た。

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