空から雨が降る日。【完】
そして、
「なにがあったの」
私がやっと言葉に出すと、優子は涙目になって言葉を発した。
―――――…
――…
「…えぇ!?上司を!?」
「そうなのぉぉっ…どうしようぅ…しずくぅ…っぅ」
お酒も入っているせいか、涙が止まらずどんどんと溢れだす。
周りもなんだ?と言う目で見る。
ヤバいと思った私は鞄に入っていたハンカチを取り出しとりあえす泣き止ませる。
「とりあえず落ち着いて。ね?ゆっくり聞くから」
そう言うと、うん。うん。と言って涙を拭う。
そしてゆっくりと、優子は口を動かした。
「あの残業の日、あったでしょ?あの後ね、終わってから一緒にご飯食べに行ったの」
「あぁ…あの日か」
たしか、私と晴太が…最後に会った日。
「私今まであんなに優しくされたことないし…ズバッていってくれる人いなかったし…」
ズバってって…上司、あなたは優子に何を言ったんですか。
「だけど…ううんだからかな。気になり始めちゃって。上司なのに。男としてしか見れないの…っどうしよう雫、私…っ」
「別にどうしようもなにも、上司結婚してないんだから狙えるじゃない」
「えっ。いやっそ、そうなんだ、けど、さ…。」
なにが気に食わないのか、ごにょごにょと人差し指と人差し指を回す。