空から雨が降る日。【完】



空雨とどんな話をしていたのかな。
私のこと、空雨はなんて話していたのかな。

今まで怖くて聞きたくなかったことがどんどんと頭に浮かぶ。

あぁ…ばかだなぁ私。
もっと早く、ちゃんと向き合えばなにか変わっていた?

ばかだなぁ私。
空雨が連れてきたものを、逃げて逃げて遠ざけて。


私―…


「会って、くる…会いたい…っ!」


気付けば私の中で、
晴太は空雨の次に大事な存在になっていたんだ。


空雨のことで苦しんでいた時、必ず声をかけて私を今いる場所に戻してくれたのは晴太で。

泣きたくて泣きたくてもがいていたとき、傍にいて泣かせてくれたのは晴太で。

一人になりたかった。
だけど一人になったらきっと泣いてしまいそうだった。

それを、させてくれなかったのは――


全部、晴太で。


「なんで、気づかなかったの…っ」


怒っているのかもしれない。

だけどそれでも、

私を支えてくれていたのは全部晴太だった。

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