Bandやろうゼ♪
翌日。


早速、五人は、
昨夜録音したての
出来立てホヤホヤの音源テープを手に、
近所の小さなLiveハウスへ行った。


観にはよく来ていたが、
持ち込むのは、初めて。


「こんにちわ~」

「はい。あぁ~電話くれてたBandね」

「はい」

「まぁ聴いてみてから、連絡するから」

「あ、はい」

Liveハウスの店長さんに手渡して、
ひとまず店を出る。


と、何故かすぐに店長が、藍たちを追い掛けてきた。


「待って待って、ごめんごめん」

「あっはい」

「君たち、あさって空いてる?」

「はい?」

「いや~あさってさぁ~
うちでイベントあるんだよ。タイバン」

「タイバンっスかっ」

「うん。一枠空いててさ。
まぁ~一枠だけなら空いたままでもいいかなぁとも思ったんだけど~
出る?」

「いいんスか?」

「うんいいよ」

「出ます!」

一斉に返事をした五人。

「じゃ明日、前日リハとか打ち合わせとかやるから来て」

「はい。有難うございます」

「こちらこそっ」


そう言って、
店へと戻って行った店長。



「やったなー」

五人は喜び合いながら、

「でもっ店長、まだ、
テープ聴いてないよな?」


そんな疑問がよぎりつつも、


「まっいっか!ラッキー♪」


と、棚から牡丹餅を大喜びしながら、

根拠のない自分たちの自信に
満ちあふれていたのであった。


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