未来からのメッセージ


あの人の名前は、東 翔流(あずま かける)同じく高二。

東 翔流が不良として有名になったきっかけが、去年の出来事。


詳しくは知らないけど、暴力事件を起こしたと噂になっていた。


そんな人と話しちゃったなんて……。


「~っ……」


不安や後悔が入り交じって、声にならないため息が出る。

無意識に下を向いて歩いていたことに気づき、瞬間的に上を向いた。


視界に入った空は、どんよりと暗く曇っている。


「今の私みたい……」


この先どうなるんだろう。

人間さえ避けてきた私に、不良との接し方がわかるわけない。


このまま、何事もなかったかのように生活できればいいけど――……







☆ ☆ ☆



……こんな最悪なことって、あるかな。


「昨日はどうしたの?」


隣から、申し訳なさそうな顔で私の顔を覗きこんでくる。



まさか、隣の席だったなんて………!


え、待って? うちのクラスにあんな人いたっけ!?


もう絶対関わらないと決めていた私だけど、これは……無理そうです。


「えっと……昨日はごめんなさい。でも大丈夫なんで」


それからしばらく話しかけてきたけど、チャイムがなったおかげで助かった。

何で私、隣に不良がいること今まで気付かなかったんだろう……。

これからのことを思うとどうしてもため息が出るけど、それは周りの音に
かき消されていった。
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