コクリバ 【完】
「奈々先生ー。どう?終わった?」
「あともうちょっとです」
「あれ?泣いてた?」
「え?」
「分かるー。一人一人の名前書いてたら、その子のこと思い出しちゃうよね。みんな元気に小学校に行ってくれたらいいよね!」
「……そ、そうですね。思い出しちゃいました」
「じゃ、それ終わったら教えてね」
「はい」



風が暖かくなるこの時期
毎年のように思い出してしまう
あの後ろ姿を―――




もう少し自分が強ければとか
もう少し綺麗になる努力をしたらとか
たくさん反省して、今の私になった。

だからあの苦しかった恋愛経験は無駄じゃなかった。

そう思うことにした。



< 282 / 571 >

この作品をシェア

pagetop