コクリバ 【完】
「だったら尚更行かなきゃ。来るなって言われなかったんでしょ?」
「いや、でも、普通行けないですよ」
「だって洋祐先生のこと誤解してるんだよね?」
「……」
「これで行かなかったら認めてるようなもんだよ。それにもう行かないなんて言えない。あの二人も相当張り切ってるよ。私からは中止だなんて言えない…し、言わせない」
「真理子先生」
「絶対行くべきだよ。奈々の先輩だって待ってるって…ね?」
「でも服だって用意してないし…」
「なんであんたが着飾る必要があるの?彼氏持ちはダッサイ服で行きな」
「彼氏じゃないです」
「……」
「彼氏じゃなかったみたいです。私一人の思い込みでした」
「もうそんなのどうだっていいよ。行くことに意義があるんだから。いい?もうこれは決定事項なんだからね」

それだけ言うと真理子先生はさっさと部屋から出て行った。

会いたくない。

もう今更会っても無理なのに……
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