コクリバ 【完】
私が頭を下げると、ほんの微かに高木誠也は頭を動かした。
隣りの人に肘を突かれている。
二人がこっちに歩き出したので、私も近寄っていくと、
「ウソ―。あの人たち?」
背後から嬉しそうな真理子先生の声が聞えた。
近付くとよく分かった。
高木誠也の機嫌が悪い。
今日はやっぱり来ない方が良かったんじゃないだろうか。
「今日はわざわざありがとうございます」
高木誠也が何も言わないから、隣の優しそうな人が口を開いた。
こんな人にまで気を遣わせるなんて……
「こちらこそ。よろしくお願いします」
高木誠也ではなく、隣の人に挨拶した。
「奈々さん?」
「はい。そうです」
「高木がこんな態度でごめんね。本当はこいつ嬉しがってたんだよ」
「山下さん!」
高木誠也の低い声が響く。
「来れないって聞いてたからさ。それでこいつ不機嫌になっちゃって……」
隣りで不機嫌そうに睨んでる人と目が合った。
「来ない方が良かったですか?」
「そんなこと言ってねーだろ」
「そんな態度してます」
「悪かったな。元々だよ」
「……」
「……」
隣りの人に肘を突かれている。
二人がこっちに歩き出したので、私も近寄っていくと、
「ウソ―。あの人たち?」
背後から嬉しそうな真理子先生の声が聞えた。
近付くとよく分かった。
高木誠也の機嫌が悪い。
今日はやっぱり来ない方が良かったんじゃないだろうか。
「今日はわざわざありがとうございます」
高木誠也が何も言わないから、隣の優しそうな人が口を開いた。
こんな人にまで気を遣わせるなんて……
「こちらこそ。よろしくお願いします」
高木誠也ではなく、隣の人に挨拶した。
「奈々さん?」
「はい。そうです」
「高木がこんな態度でごめんね。本当はこいつ嬉しがってたんだよ」
「山下さん!」
高木誠也の低い声が響く。
「来れないって聞いてたからさ。それでこいつ不機嫌になっちゃって……」
隣りで不機嫌そうに睨んでる人と目が合った。
「来ない方が良かったですか?」
「そんなこと言ってねーだろ」
「そんな態度してます」
「悪かったな。元々だよ」
「……」
「……」