コクリバ 【完】
「あの警備の人はどうですか?」

典子先生の顔がニヤニヤしている。

「私パス」

みか先生がそっぽを向いた。

「私、有り」

真理子先生が襟元を正している。

まだ入り口を入ってもいないのに、女のバトルは始まったようだ。


「おはようございます」

警備の人の笑顔に、満面の笑みを返しながら3人が入口を通った。
遅れて私も入口を通ると、3人が立ち止まっている。

「すみません。お待たせしました」
「奈々。見て。あの人たち、ヤバイ」

興奮気味の真理子先生が指さした方を見ると、自衛隊の制服に身を包み、紺色の作業帽を目深にかぶった高木誠也がいた。

高木誠也の隣りには同じ格好をした人がもう一人立っていて、私たちを見るなり、高木誠也に何か耳打ちをした。

それを受けて、高木誠也は帽子を持ちながら下を向いた。


どうやら入口入ってすぐのところで待っていてくれたらしい。
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