好きな人の弟を、利用した

帰り道

「ごちそう様でした」

「はぁい♡また来てねん♡」

私達はハナちゃんさんにお辞儀をしてお店を出た。

「……行きましょうか」

「うん」

私達は、特に何も喋らず、静かな住宅街を歩く。

時折、楽しそうな子供の笑い声や、少し怒ったお母さんの声なんかが聞こえて来て、一人でふふっと笑った。
< 46 / 334 >

この作品をシェア

pagetop