転職したら双子のイケメンがついてきた


「あら??珍しいわね??喧嘩したの??久し振りじゃない」


「お、お邪魔します…」


お母様の登場に、何となく小さくなる。


長い髪を肩の上で束ね、ロングワンピースにストールを羽織り、そこはかとなくやはり品がある。


「気を使わなくていいのよ??ここはあなたのお家でもあるんですからね」


穏やかににっこりと微笑む顔は、真言さんに似て見えた。


よくわからないまま連れてこられて、結婚の挨拶をして以来だ。


神前財閥。


真っ白なお城のような豪邸だ。
大きな門の冊扉を入ると、うちの実家一軒分くらいの手入れの行き届いた庭がある。


そしてまた、大きな扉を開いて玄関を入った中央に長い、赤い絨毯敷きの階段がある。


庶民の私には、テレビか映画でしか見たことない光景だ。


「前は確か、玖美さんとの結婚に反対して喧嘩したのよね??」


お母様が真言さんに。


「そうなんですか??」


「彼が、彼女を嫌っていたんです。今は仕事のやり取りもあって、そうでもありませんが」


玖美さんは真言さんの別れた奥さまだ。
敏腕弁護士をされている。以前お仕事で私もお世話になった。



< 147 / 383 >

この作品をシェア

pagetop