転職したら双子のイケメンがついてきた


ガシャン!!
という音に、我に返った。


「えっ??えっ??真言さん!?」


電柱に当たって、軽自動車のボンネットが盛り上がって曲がっている。


「……まこ……」


真言さんがハンドルに突っ伏して気を失っている。
そのせいでクラクションが鳴りっぱなしだ。


「えっ??えっ???ええっ!?」


突然の出来事におろおろする私。当たった車から若い男性が現れた。


「すみません!!考えごとしてて…」


片側一車線で、後ろから来ていた車が追突したようだ。


その衝撃で弾かれて、対向車線の電柱に突っ込んだ形になっている。幸い向こうから車は来ていない。


「大丈夫ですか!?あっ、救急車!!」


男性がスマホを取り出すと、手際よく警察と救急に連絡する。


私も携帯を出そうとしたけれど、見つからない。足元に置いたバッグが取り出せない。


パニックになっていた。


「どうして、……どうしよう」


助手席のドアまで少し歪んでいたけれど、なんとかこじ開けて出ることはできた。


けれど、貧血でそのまま意識を失ってしまった。



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