不思議の国の物語。
孤独の部屋はどこにあるのかなぁ? ねぇ,麻折。
「燐火。 孤独の部屋ってどこにあるの?」
「きっと…。 こっち。」
指差したところは…。
麻折とそのお兄ちゃんらしい人「J」が戦っているところだった。
「り,り,燐火…。」
「ダメ。 千世子。 見ちゃダメ」
そういって燐火はあたしの目を隠した。
でも,目では見えないけど耳でなら聞こえるのだ。
麻折が歌っているのだって,そのお兄さんが何を言ったとしても全てが丸聞こえ。
とても意味がない。  
「…。 り,燐火?  目だけ押さえていても意味ないよ?」
「へ?」
まだ気づいていないらしい。
「耳押さえてないから会話が丸聞こえ。」
「ふぇっ?」
はぁ。 こいつは鈍感すぎるのか。
「あっ,あぁ。 わ,分かりました!」
ようやく分かってくれたらしい。
「じゃあちょっと待ってくださいね。」
…。 もしかして,もしかしなくても…。
目は押さえずに耳を聞こえないようにするのか…。
こいつは…。 ありえる。 こいつならありえる。
そう思った。
「じゃあ,はい。 どうぞ。」
やっぱり…。 あたしの予想は…。
あってなかった!!
あれー…。 これ,なんだ。 本当にコレはいったい。
「あぁ,これですか?」
えぇ,そうですよ。 あたしはコレがいったい何なのかが知りたいんです!
「えっとぉー。 アイマスク?」
いや,それあるんならさっさと…。
あれ? なんで耳をきっと押さえられているのに…。
っておぃ。
今度も耳忘れてるし! アイマスクで必死だったのか?
「え,と,り,燐火ちゃん「あっ,もう終わったみたいですし行きますか。 孤独の部屋へ。」
肝心なことが聞けなかったけどまぁいいや。
そしてあたしは見てしまった。
麻折が砂の結晶となって消えていってしまうところを。 
バキュン。
機関銃の音がした。
あたしはその音に気づいて振り向いた。
「あらら,まだ生きていましたか。 じゃあ,千世子ちゃんあたしはあの人を始末しなければならないので…。 孤独のお部屋でまた,会いましょうか。」
そう,燐火は言って…。
目の前の扉を開けあたしをその部屋へ押し込めた。
「お,よく来たな。 孤独の部屋へ。」
そこにいたのは幼い少年だった。


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