不思議の国の物語。
第七章 真実と嘘。
あたしは,何が真実で,何が嘘なのか検討が付かなかった。
「ねぇ,何が本当で何が嘘のなのよ…。」
あたしは,誰もいないところに問いかけた。 
「ねぇっ…。 燐火,桜花,時艱,黒戈あぁぁああっ!!」
もう…この四人はここには居ないんだ。 
あたしは,もう一回確認した。 右,左,後,前…。 周りは,なにもなかった。 ここは,どんな世界なんだろうか。 ここは…。
「キャハハッ♪ 麻折ちゃんのお戻りなのっ♪」
と麻折が戻ってきそうだった。
「はぁ…何言ってるのよ。 あたしはここに居るよ」
と燐火が言ってきそうだった。
「お前,馬鹿なんだな」
と黒戈が言っていたような気がした。



< 53 / 83 >

この作品をシェア

pagetop