大切な人
ガラガラガラ


突然ドアが開いた


「?!」


「千夏!!!」


汗だくでいきなり現れた彼を見て私は涙ぐむ


来てくれた...。


「どうしたんだよ千夏!?」



あ...、今千夏って呼んでくれた?

口の動きがそんな気がして初めて名前を呼んでくれたことに嬉しさがこみ上げる


私は全てを話すために携帯の画面に文字を打つ


「まず始めに、ごめんなさい。
成瀬からメール来た時貧血で倒れたって言ったけど本当は違うの。

成瀬と廊下で話してわかれたとき急に頭が痛み出して吐き気に襲われて、それで私倒れちゃって。

その後病院に運ばれて、いっぱい検査して」


文字を打つ手が震える


でも、後悔するならと、意気込んで文字を打ち進める


「精密検査とかいろいろやって調べたらガンだって言われちゃった。

余命は後2年

それと、倒れた時のせいで頭の打ちどころが悪くて、耳が聞こえなくなりました。

多分、自分の声は出てると思うんだけど、自分で聴こえなくてそれが怖くてうまく話すことが出来ないから、文にしました。」


深呼吸をする。

震える手を、身体を落ち着けるように


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