家族の絆
 あまり具体的な話にはならなかったが、今度の土曜日、10月19日は親父さんの三回忌に当たる。昨年の一周忌の時には、居酒屋〔寄り道〕で、かつての常連さんたちに集まってもらい、思い出話を語ってもらうことで供養に代えて、あえて法要は営まなかった。翌日に女将さんとユキとで墓参りだけを簡単に行ったとのことだった。そのために、この三回忌もユキは一人でお墓参りだけを考えていたようだ。それに、祐一も一緒に参列した。帰りに近くの蕎麦屋で、親父さんの話を少しして、別れた。このときにも、青葉台に訪ねていくのは何時になるのかと一言あったが、はっきりと応えられないのが、少々辛かった。

 研究所の仕事も岩城研究所長の示唆のように考え方を変えて対応してみると、今までの重苦しい雰囲気が一気に解消されたような気分になって、この一週間はスムースに機能して充実感があった。他社のレーザーの性能比較を行ってみると事業部の方向付けにも新たな提案ができそうだった。それ以上に、祐一のグループが目標に掲げていた業務にも具体的な目処を立てることができた。
< 179 / 204 >

この作品をシェア

pagetop