家族の絆
一方、総務省関連のデジタル放送研究会は毎月のように開かれ、その合間に幹事会も行われていたので、実質的に多くの時間を費やさざるを得なかった。
岩城研究所長からは『総務省だか何か知らないが、何とか研究会は今年の7月でやっと終わりだな。それで、本来の仕事に本腰を入れてもらえるなあ。期待しているよ』と顔を合わせるたびに言われていた。
2月に行われた幹事会で、デジタル放送研究会の延長を正式に決定し、その委員長をしているNHKの委員長と総務省の課長から著作権問題を明確化していくタスクフォースの主査に就任して欲しいと依頼があった。これを引き受けることになるとますますデジタル放送研究会に時間を取られていくことは目に見えていた。この3年を通して、デジタル放送研究会の成果を具体的に技術的な標準化仕様の形でまとめ上げることができたのは山崎に負うところが大きかったことは研究会の一致する意見であった。そのために山崎の主査就任の話が、それも総務省の課長直々に話が持ち上がったのは不思議なことではなかったし、一般的にはむしろ光栄なことだった。
岩城研究所長に面と向かってデジタル放送研究会が延長されるという話も、更には具体的な課題のタスクフォースの主査に就任要請があるという話を切り出す勇気がなかった。とはいえ、報告しないわけにはいかないので、毎月提出している月次報告書にその旨を認めることにしたが、直接自らの口からは切り出せなかった。
岩城研究所長からは『総務省だか何か知らないが、何とか研究会は今年の7月でやっと終わりだな。それで、本来の仕事に本腰を入れてもらえるなあ。期待しているよ』と顔を合わせるたびに言われていた。
2月に行われた幹事会で、デジタル放送研究会の延長を正式に決定し、その委員長をしているNHKの委員長と総務省の課長から著作権問題を明確化していくタスクフォースの主査に就任して欲しいと依頼があった。これを引き受けることになるとますますデジタル放送研究会に時間を取られていくことは目に見えていた。この3年を通して、デジタル放送研究会の成果を具体的に技術的な標準化仕様の形でまとめ上げることができたのは山崎に負うところが大きかったことは研究会の一致する意見であった。そのために山崎の主査就任の話が、それも総務省の課長直々に話が持ち上がったのは不思議なことではなかったし、一般的にはむしろ光栄なことだった。
岩城研究所長に面と向かってデジタル放送研究会が延長されるという話も、更には具体的な課題のタスクフォースの主査に就任要請があるという話を切り出す勇気がなかった。とはいえ、報告しないわけにはいかないので、毎月提出している月次報告書にその旨を認めることにしたが、直接自らの口からは切り出せなかった。