家族の絆
 有楽町には6時頃に到いた。まだ日差しが強いと感じられる時間で、ワイシャツには汗が染み出ていた。
 ジョーに電話を入れた。
『いつものように暗号の確認から始まった。何度も思うのだが、この"orange"はちょっといただけないなあと・・・。直ぐに、贈り物の話になるが、何を送るかはともかく、その資金をどうするかが問題だった。メールにも書いたように一部の金額を例えば数千ドルでも事前に送ってくれればいいではないか!US$30.5Mはひとつのまとまったものだから分けて使うようなわけには行かない。ジョーの個人的な資金はどうか?ともかく、まとまったお金が手に入るのだからそれを目当てにお金を借りたらいいではないかとか、お互いに勝手に言い放題の電話だった』
 電話を終わって、時間を確認すると約束の6時半を少し回っていた。
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