家族の絆
直ちに13階のお店に向かった。
ユキは既に待合室の椅子に腰掛けて、祐一に気づくと歩み寄ってきた。
「今日も暑いね」と笑顔で挨拶を交わした。すぐに、1階上の14階に案内された。そこは、かなり広いスペースであるが、既に八割方のテーブルがお客さんで埋められていた。そういえば、週末に絵美といった青葉台の〔梅の花〕も帰りには並んでいるお客さんもいたなあと思い出した。飲食店は最近の景気の低迷であまり好ましくないようなことを聞いていたが、やはり努力次第で繁盛しているお店もあるのだと思った。
季節のコース料理を頼のみ、生ビールで乾杯した。8月の季節のコース料理は向日葵(ひまわり)という名前が付けられていた。
「ユキちゃん、誕生日、おめでとう!」
バースデーカードを差し出しながら言った。ユキはきょとんとして、でも、いつものきつそうな目じりが柔らかくなって、多少驚きを込めて応えた。
「ありがとう、でも、どうして知っているの!?」
それには応えないで、話を続けた。
「このお店、こんなにお客さんがいっぱいですごいね」
他の〔梅の花〕にも行ったことがあるが、なかなかおいしいというような話をした。バースデーカードは、花の模様になっている切り紙が入っていて、なかなか趣きのあるものだった。そのカードに、ユキはうれしそうに見入っていた。
ユキは既に待合室の椅子に腰掛けて、祐一に気づくと歩み寄ってきた。
「今日も暑いね」と笑顔で挨拶を交わした。すぐに、1階上の14階に案内された。そこは、かなり広いスペースであるが、既に八割方のテーブルがお客さんで埋められていた。そういえば、週末に絵美といった青葉台の〔梅の花〕も帰りには並んでいるお客さんもいたなあと思い出した。飲食店は最近の景気の低迷であまり好ましくないようなことを聞いていたが、やはり努力次第で繁盛しているお店もあるのだと思った。
季節のコース料理を頼のみ、生ビールで乾杯した。8月の季節のコース料理は向日葵(ひまわり)という名前が付けられていた。
「ユキちゃん、誕生日、おめでとう!」
バースデーカードを差し出しながら言った。ユキはきょとんとして、でも、いつものきつそうな目じりが柔らかくなって、多少驚きを込めて応えた。
「ありがとう、でも、どうして知っているの!?」
それには応えないで、話を続けた。
「このお店、こんなにお客さんがいっぱいですごいね」
他の〔梅の花〕にも行ったことがあるが、なかなかおいしいというような話をした。バースデーカードは、花の模様になっている切り紙が入っていて、なかなか趣きのあるものだった。そのカードに、ユキはうれしそうに見入っていた。