家族の絆
大門から三田までは一駅だが、大日本電気に就職して以来20年以上もご無沙汰しているが、果たして、親父さんは元気だろうかといったことを思いながら、すし屋〔ひょっとこ〕に向かっていた。かつての行きなれた道であったが、沿道のかなりのお店は増改築がなされている感じで、やはり20年も来ないとこうも変わってしまうものなのかと驚きと共に仕方のないことだという気持ちになっていた。
すし屋〔ひょっとこ〕も御多分に漏れず居酒屋〔寄り道〕に変わっていた。その店の前で、一瞬どうしようか佇んでいたが、折角ここまできたのだからとドアを押した。中からワンテンポ遅れたが、『いらっしゃい!』と若い女の声が返ってきた。他にはお客はいなかった。お通しは牛蒡とこんにゃくを少しピリ辛に煮付けたものに炒りゴマをまぶしたものだった。甘みがほどよく効いているし、だしの具合も良かった。だし巻き卵とほうれん草のおひたし、それとイワシの丸干しを注文して、ビールを飲んでいた。料理を運んできた若い女は『どうぞ』といって向かいの椅子に座ったが、それっきり、特に何も語ろうとはしなかった。イワシの丸干しはともかく、だし巻き卵は化学調味料の味がしなくて甘みも抑えてあり美味しかった。ほうれん草も茹で加減はもちろんのこと、ほのかな味付けが炒りごまの風味に併せて感じられ、満足の行く出来栄えだった。
すし屋〔ひょっとこ〕も御多分に漏れず居酒屋〔寄り道〕に変わっていた。その店の前で、一瞬どうしようか佇んでいたが、折角ここまできたのだからとドアを押した。中からワンテンポ遅れたが、『いらっしゃい!』と若い女の声が返ってきた。他にはお客はいなかった。お通しは牛蒡とこんにゃくを少しピリ辛に煮付けたものに炒りゴマをまぶしたものだった。甘みがほどよく効いているし、だしの具合も良かった。だし巻き卵とほうれん草のおひたし、それとイワシの丸干しを注文して、ビールを飲んでいた。料理を運んできた若い女は『どうぞ』といって向かいの椅子に座ったが、それっきり、特に何も語ろうとはしなかった。イワシの丸干しはともかく、だし巻き卵は化学調味料の味がしなくて甘みも抑えてあり美味しかった。ほうれん草も茹で加減はもちろんのこと、ほのかな味付けが炒りごまの風味に併せて感じられ、満足の行く出来栄えだった。