君の瞳に映る世界
去ってゆく君


あれから、数日。




ついに明日、私は退院する。




長いようで、短かった入院生活も、ようやく終わる。




なのだけど……




『返事をしてない?!』




電話越しに、幸ちゃんの声が響く。




キーンとした声に、私は思わず眉をひそめた。




「幸ちゃん、私まだ一応病院の中にいるから、あんまり大きな声は……」




『あ、ごめん……

 でも!告白してくれたのに、返事してないってどういうこと?!』




そう、あの日の返事を、私はまだ出来ないでいた。




「だって……あれから、なんとなく気まずくて、話してないし……」




『明日になっちゃったら、もう会えないんだよ?!

 連絡先だって交換してないんでしょ?』




「うん……」




『里沙ちゃんは、このまま離れちゃってもいいの?!』





いいわけない。




でも、どうしても、勇気が出ないんだ……




< 103 / 129 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop