春、さくら、君を想うナミダ。[完]
「……ぐすっ……ううっ……」
女子トイレへと駆けこんだあたしは、個室の中に入って鍵を閉めた。
怖くて手や唇が震えている。
どうしてあたしがこんな目に遭わなきゃいけないの……?
助けて。
誰か……助けて。
教室に戻りたくない。
家に帰りたい。
そのとき、数人の足音が聞こえてきた。
小声で話をしているようだけど、内容まではわからない。
あたしは涙をぬぐい、個室から出ようと鍵を開ける。
だけど、扉は開かなかった。