春、さくら、君を想うナミダ。[完]
話し声が聞こえて、
あたしは階段の下の隅にいたハルくんと石黒さんを見つけた。
追いかけてきたものの、声なんてかけられるわけない。
向かい合うふたりを、
あたしは少し離れた場所から見つめることしかできなかった。
なんの話をしているのかわからなくて、気になって仕方ない。
そのとき、石黒さんと目が合ってしまった。
彼女はすぐにあたしから目をそらすと、
両手でハルくんの頬を挟んで、キスをした――。