メガネ男子と同居中


「く、黒っ…!」

走っちゃいけない廊下を走って、図書室につき、黒瀬を見つけて声をかけようとして、声を出すのをやめた。


なにあれ…。


そこには3人の女子に囲まれてる黒瀬がいた。


私は隠れながら黒瀬たちに近づいて会話を聞く。


「…へー黒瀬くんってこう言うの読むんだ〜」
「ね、今度私たちに勉強教えてくれない?」

「どうして僕が…」

「だって黒瀬くん学年1位じゃん!」
「一緒に住んでた水谷さんには教えたんでしょ?」
「私らにだって教えてよ〜」


そりゃ別人だもんね。
女子がほっとくわけない。

会話を聞くだけで胸が痛い。
黒瀬が私以外の女子と話してることが、黒瀬の秘密の場所が知られたことが、本当に嫌。

私のものなんかじゃないのに。

触れて欲しくない。

両手に抱えたマフラーの入った紙袋をギュッとする。

こんなところでこんな会話を聞いてるだけなんて…。


なにやってるの…私。




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