メガネ男子と同居中

──────


「……黒瀬と付き合った?!?!」

「待て待て待て、パニクるパニクる」

翌日のお昼休み、優子とユキに思い切って、黒瀬の話をする。


「マコトくんと付き合ってる途中に…気づいて…」

「なるほどね…まぁ、なんだかおかしいな〜とは思ってたけど…」

「まさかマジで黒瀬とはね」

「それもニュー黒瀬の前でしょ?わかんないって」


「2人には…本当に…悪かったと思ってます!ずっと黙ってしまってて…」


「いや、そりゃ言いづらいって、ユキなんてあんなに黒瀬のこと嫌ってたんだから」

「うちらこそ悪かったって〜もっと相談しやすい環境を提供するべきだった。反省反省」


「ありがとう。2人とも」


黒瀬が和田くんを許して、和田くんが黒瀬を信頼していたように。


側で一緒にいてくれる友達と。

ちゃんと向き合って信じてみようと思う。



「ってか、あいつの何がいいの?!」
「ちょっとユキ〜〜」
「今日の放課後は聞きまくるよ〜〜!取り調べだーーー!!!」

ユキが拳を天井に突き上げる。
それをみて、優子と2人で笑う。

この2人が友達でよかった。

自分の正直な気持ちを話せて初めて、心の底からそう思った。


もう、うわべだけの友達なんかじゃないから。


「莉子、話してくれて、本当にありがとうね」

「うんっ」



優子、ユキ。


本当にありがとう。


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