雨と花

海と向日葵



伴奏が流れる。

日向先輩のリードであたしも歌い始めた。

歌うのは何ヵ月ぶりだろう。


““さわやかな朝
ひとり咲く日々
僕は雨を待っている
花は僕そのものだ

僕は君を待っている
君はいつも僕に語る
僕の光のような存在だ

いつもとなりに君がいた
気づかぬ間にも君がいた

僕のすべてを差し出しても
君以上の人には会えないだろう”


この光景、どこかで見たことがある。
ああ、あたしのあの夢だ。
背が高くて、髪が茶色がかってて、素敵な声の男の人、、
あれは日向先輩だったんだ。

日向先輩と歌っている間は心地のよいものだった。
まるで海の上を歩いているみたいだった。
泳ぐよりもずっと清々しい感じがした。
今のあたしはあの夢のように、、、


だめだ!!!!
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