㊙サッカー王子と同居中*2年生編*



「ただいま」



陽向は優しく笑いながら、ポンポンと頭を撫でてくれた。



ここみんなの前だよ?と言葉には出さないけど、そんな視線を陽向に向ける。



でも彼は全然気づいてくれない。



「あっちー!あっちーよ!ただでさえ夏で今暑いのにこれ以上暑くすんなよな。



俺にも立花に言ったみたいに王子様スマイルで『ただいま』って「調子に乗るな。お前とはしばらく話聞かない」



陽向はさっきと同じような表情を浮かべると、間宮先生のところに行ってしまった。



その後ろ姿に大塚くんは陽向にバレないように口を押えて笑っている。



「面白い劇を久しぶりに見た気がするよ」



「本当にな。なんでひかるちゃんのことになるとあんな余裕がなくなるんだろうね」



「よっ!」と挨拶をしながら一ノ瀬先輩と七瀬先輩がグラウンドに入ってきて、あたしと大塚くんは二人で「お久しぶりです!」と言いながら返事をした。


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