あ、あ、あ愛してる
「有栖川、調子悪いの?」

「はい……熱があるんです」

あたしは話すのを迷ったけれど、仁科副部長には伝えておこうと思った。

「元気そうにしているけれど、たぶん横浜大会の頃からずっと調子が悪いんだと思います」

「ダサッAlice――あいつっ」

仁科副部長は舌打ちをし、和音くんを睨んで息を吸い込んだ。

「副部長」

あたしは副部長の腕をグッと強く掴んだ。

「有栖川先輩はピアノ伴奏を辞退しないと思います。今日は絶対弾くつもりです。だから調子が悪いのを言わないんです。心配をかけて、あたしたちが歌えなくならないように」

「でも……」

「大丈夫だと、何度も大丈夫だからと言っていたんです。あたしは有栖川先輩を信じます。最後まで弾けると。だから部長や他の人たちには言わないでください」

仁科副部長はあたしをじっと見て立ち尽くしている。



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