あ、あ、あ愛してる
あたしがやるべきことは……
和音くんの声が聞こえた。

――花音、関東大会に送り出してやる

客席からの和音くんコールに混じり、確かに和音くんの声を聞いた。

部長が腕を振り上げ、自由曲「ROSE」のピアノ伴奏が始まった。

和音くんは体調の悪さを微塵も感じさせずにピアノを弾いている。

――関東大会に行きたい。和音くんの思いに応えたい

あたしは一生懸命歌った。

遊園地で和音くんが「ROSE」を歌っていた姿が思い浮かんだ。

観客に向かって語りかけるように歌っていた優しい歌声と、和音くんのピアノ伴奏があたしの全身を包み込み、胸が熱くなった。

ギュッと和音くんに肩を抱きしめられた時みたいに、胸がドキドキしていた。

切ない「ROSE」の日本語の歌詞を歌いながら、和音くんが全身全霊でピアノ伴奏していることに感謝し、祈る。

――和音くんを苦しめているものがなくなりますように

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