あ、あ、あ愛してる
演奏終盤、マネジャーは険しい顔のまま俺に告げ、コンサートプログラムと楽譜を手渡した。

「Emma, ​​better to leave the sound alignment about an hour would be peace of mind.」

エマに向かって音合わせをするよう命じ、俺を見下ろす。

無言の圧力を感じ「お願いします」と気持ちを込めて、一礼した。

「No way will be co-starring with Kazune became gold sparrow that does not sing in such a form.」

マネジャーが俺を一瞥し、冷たく呟いた言葉が悔しかった。

抜けない棘が「歌えないカナリアになった和音と共演することになるとはな」胸に突き刺さった気がした。

――ああ、俺はそんな風に思われているんだ

こみあげてくるやるせなさと苛立ちが虚しかった。

何も言いかえせない。

歌えるようになる希望も確証もない。

元のようになど、今は夢の話だ。

それでも、歌えないと諦めたくないと思った。

――歌えないカナリアのままで終わらない

俺は花音にもらったウサギのストラップを握りしめた。
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