あ、あ、あ愛してる
胸キュンしました
「あーーっ、ウサギさんの下に顔があるーっ」

ガキんちょが突進してきて大声で喚きながら、指をさしている。


――暑くて少し涼んだだけじゃない


「変なウサギ」

着ぐるみの頭をきちんと被り直し、風船を手渡すと「ニセモノだ」と言いながら走っていった。

ホッと胸を撫で下ろす。


「ママーっ、どこ!?」

女の子が泣きながら歩いてる。


「どうしたの?」

駆け寄って声をかけたら、抱きつかれ号泣されて、どうしていいかわからない。

今度は迷子かと、こっちがパニックで泣きそうだよと思っていた。

女の子を慰めながら、キョロキョロし、助けを求められそうな人を探す。


スッと真っ直ぐ伸びた長い足、ふわふわした猫毛の茶髪、整った綺麗な顔、細身で着崩れたシャツにダメージジーンズ、やけに目立つ男子が近づいてくる。
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