真夜中のアリス
朱鳥くんと出逢ったのは、やっぱり大学で。
同じ学科だったけど全然接点がなくて、会話なんて以ての外、挨拶すら交わすことなんて出来なかった。彼は首席でトップ入学を果たし一目をおかれていたけれどその優秀さを引け散らかすこともなく誰に対しても平等で優しくてみんなから慕われていた優しくて穏やかで凄い人。非凡な彼と平凡を生きるあたしとは住む世界が違う程遠い存在だった。惨め過ぎる片想いで終わる筈だったのに、まるで魔法のような奇跡が起こったんだ。
あたしの存在なんて知られる筈なんてあるわけなかったのに、優しい暖かい言葉をかけて話しかけてくれた。「ずっとずっと、話したかったんだ。一緒にいたいんだ」と。
こんな奇跡みたいな現実があっていいのか、こんな幸せがあっていいのかって痛感しすぎたんだよな…。
「やっぱり雷雨で休講だってー。今日わたしバイト休みで良かった、瑠衣ちゃんは?」