真夜中のアリス

「何を言って、いるの…?」

僕らは二人でひとつ。だからこそ、彼の云わんとする悲痛な痛みが刃となって僕にも突き刺さるように伝わってくる。

“瑠衣ちゃんを護るため。なんて言えば聞こえはいいけれど、それは俺の当てつけがましい利己だったんじゃないかなって。
彼女はそんな未来を望んでいなかったのかもしれない。結果はどうあれ、瑠衣ちゃんから笑顔を奪ったのは紛れもない俺自身に違いはないのだから”

ずきん ずきん
その悲しみと懺悔は降り注ぐ痛みの雨と化して彼に贖罪として消えない後悔と不安だけを与え身体さえも奪い、僕にもその痛みをもれなく濡らし続ける。
闇に魅入られてしまっていたのは、アリスだけじゃなく僕らの方だったのかもしれない。
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