真夜中のアリス

押しても体当たりをしてもびくともしないそれ。窓も頑丈に閉めきられている上強化ガラスっぽい硬さのため、割ったりとか無理やり窓から出るということも叶わない。

「…どうしよう…。って、なにあれ…」

頭を抱えようとした時に見つけた、何の変哲のない瓶。2本並んで棚に飾ってあり、キャップは赤と青でわけられていた。
それよりも、懸念させられたのは瓶に書かれていた何とも不吉な予感をさせる文字。

赤い方には“わたしを飲んで!”
青い方には“飲んだら泣いちゃうよ!”

「…意味わかんない!こんなの飲むわけないじゃん!」

2つの瓶を手に持ち、立ち尽くすあたし。万策尽きたかと思われる。
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