真夜中のアリス

漸く周りに目をやる。暗すぎて気付かなかったが、壁の両隣にはダストシュート。進入禁止のプラカードも掛かっていてこれ以上先に進めないようになっていた。
そして、今度こそようやくウサギが消え気配がない事を気付いた。

「あれ…?どこに行ったんだろうあのウサギ…
ちょっと!出てきなさいよ!出てこないなら捕まえて食べちゃうわよ!」

精一杯の脅し。まあ言葉がわかるはずないだろうと、思い付くまま罵倒を繰り返す。
そんな馬鹿馬鹿しい事に集中していたからだろうか、迫り来る気配に全く気付く事はなかった。

「聞いてるの!?あんたを鍋なんかにして夕飯に食べちゃうわよ!知らないからね!」

「やだなぁ。俺を食べても美味しくもないよ?
こーんなに愛らしいのに、相変わらず怒ると怖いなぁ。アリス」

「ひゃあああ!!」
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