真夜中のアリス

エースさんがここまで言いかけて、口を塞ぐ。無表情を徹しているが所々溢れ出る怒気を隠さずこちらを無言で見つめるレジーナがいるからだ。

「久々に王国裁判でも開きましょうかね、勿論罪人はあんたですよ。史実の女王さまみたく冤罪をふっかけてやりましょう。
で、アリス。話を進めます。その鍵は、城の地下にわたしが造らせた、秘密の花園の門の鍵。
そして、あなたの最後の記憶の鍵です。」

隣でブルブルと震えているエースさんと白ウサギを横目で見て、手にした鍵を強く握りしめる。

「秘密の花園って…」

それに最後の記憶って、あたしはまだ大切な何かを思い出せていないというのだろうか。朱鳥くんの他に大切な何かを。
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