真夜中のアリス

頬っぺたをぎゅーとつねり夢を見ているわけではないことを確かめる。
ウサギを追っていた筈であるのに、何故か肝心のウサギの姿は消えていて代わりに全身黒ずくめの物凄く怪しそうな男…のくせに物凄く整った顔をしている。
造形美ってこういう事を言うのだろうか。肌が白雪みたいなのがいる。それだけであたしの思考はパンクしそうだった。

「アリス、俺はずっと君を探していたんだよ。やっと会えたね」

あたしを見て嬉しそうに綺麗な笑みで微笑む眼前の男。思わず後退りする。

「はい…?貴方あたしの事を知ってるの?と言うかアリスって何の事?
あたしそんな名前じゃないし人違いじゃないの?」
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