真夜中のアリス
そう言ったかと思えば、朱鳥くんはあたしの額に軽く口付けを落とし手を繋ぎ、揺籠の方へと先導する。
「やだ、やだよ朱鳥くん…っ。貴方がいない世界になんて帰りたくないよ」
「俺も同じ気持ちだよ。けれど、物語はもう止まらずに前だけを進んでいるんだ。
アリスはお姉さんが君の目覚めるのを待っている現実世界に帰らなきゃならない」
そう理解っている。あーちゃんや、レジーナ、この世界のみんなの願いは、あたしがこの鍵を使って花園という夢の世界から目覚めて、みんなが待つ現実世界に回帰すること。
けれどやはり….。
「ごめんね、わかってる。けどあたし、怖いんだ。朱鳥くんがいないとまた闇に捕らわれてしまうかもしれない。また立ち上げれないかもしれないけど大丈夫なのかな…?」