真夜中のアリス

そして、ウサギとあたし。真っ暗な森に生える、大きな木の下で並んで座ってお茶を飲む。
あれ?これなんていうファンタジー?
そんな状況下でウサギは言葉をぽつりと落とす。

「あー、美味しい。やっぱり彼の淹れるお茶は最高だっ」

「彼?あんたが淹れたんじゃないの?」

「それはまた今度、教えてあげる。」

それ以上問いかけるなと云わんばかりのオーラを放つウサギ。 思わず言い澱む。

「さてアリス。僕からも質問していいかな。本当にどうやってここにやってきたの?」

至極真面目な眼差しで見つめる。先程の和やかな雰囲気は最初からなかったかのように、辺りは静寂と緊張感で包まれてしまった。
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