真夜中のアリス
Scene3 “A country the darkness”
本来であればー…あたしがウサギに引っ張られて進むべき見知らぬ進路。逆にずんずんとウサギの手を取り前へ前へと進むのはあたしの足。
暗闇の向こうにきっと小さな燈がある、そんな不明確な確信に突き動かされていた。
「ね…っ、ねぇアリスっ!は、速いよ歩くの!」
ウサギは悲鳴をあげるかのような、甲高い声で静止を求める。疲労困憊、足を止めたのをいいことに はぁ はぁ と上下に肩が揺れて小さく呼吸している。その姿を見て、少しばかり可哀想なことをしたな、と罪悪な気持ちになる。
「ごめん、ごめん。大丈夫?そうよね、あんた身体小さかったもんね。」