俺は、天真爛漫なあのコに流されている

「ーーーーっ、やだもうっ!」

「っ、いって!」


 腕にバシッと強めの衝撃が。

 湯川が空いてる手で、手を繋いでいる方の俺の腕を叩いてきた。


「猪瀬ってば、いきなりなんだからっ!」


 急に湯川のテンションが、いつもの天真爛漫な感じになってきた。


「いきなりしないと……出来そうになかったから」

「っ、もーうどうしてくれんのぉっ!? 私もう……キュンキュンしっぱなしだよーっ!」


 湯川、口調は怒ってる風だけど……

 これは、ウケてると捉えていいんだよな?

 人生で初のキス……スベらなくて良かった。


 はぁーあ……今の俺、絶対ガラにもなく――

 顔が真っ赤だと思う。

 冷めるまで、なるべく顔を合わさないようにしないと。


 そんな俺をフォローするように、ショコラは「ニャーン、ニャーン……」と、ひたすら鳴き続けてくれていた。



 ―終わり―



< 62 / 64 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop