【続】興味があるなら恋をしよう
「戻ってベッドで寝てくれ。俺はここでいいんだ」

「…解りました、なんて言いませんよ?
理由が解ったから…。ここから降りませんから」

自分勝手な私を抱けなくなったとは言わなかった。
…何もしないのは、身体を気遣っての事。
なんですよね?

じゃあ、大丈夫じゃないですか。
明日、休みだから、大丈夫です。…ぐったりしたって。

「ここでしますか?それともベッドに連れて行ってくれますか?」

…。

「何も応えてくれないなら、どちらでもいい、そう取りますよ?」

…こんな大胆な事。
はー、無理無理、無理。これ以上は無理ー。

課長ー、早く。早く返事をしてー。

…。


「…では」

…課長の頬に手を当てた。
…もう、仕掛けた私が攻めないとって事ですよね。
顔を近付けても課長は瞼を閉じてくれない。
この状況でも?
…自分が瞑ってしまえば、通常と同じ事。
多分、もうそんなに距離は無い、はず。

課長の唇に自分の唇が触れそうになった時、肩を押さえられた。
…この距離で止まると、とても…恥ずかしい。
目を開ける事は…出来ない。
私の顔を見てる課長の顔を見てしまう。

「こんなに我慢している上でシたら、どんなになると思う…」

…。
もう知らない。
だって私は動きを止められたんですから。
何もしてません、未遂です。

「止まらなくなるだろ…」

ムクッと起き上がった課長は、私の顔を両手で挟むと、いきなり深く口づけた。
角度を変えながら、言葉通り…もう止まらない。

…そうだった。
キスも、ずっとしてなかったんだった。
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