【続】興味があるなら恋をしよう
……馬鹿だよね、私ったら…。
勢いに任せてメールをして終った。
内容より、メールをして終った事に後悔していた。

やり取りをして終ったら、またメールしたくなるかも知れない。ううん、きっとそうなる。

…ソフレと同じ。…甘えたくなってしまう。
どこかで何でも受け入れてくれると思ってしまっているから。

はぁ、私、…お水を飲みに来たんだった。
身体が熱い…。

携帯にロックはかけていない。
ダイニングテーブルに置いた。

少し飲み、水のボトルを手に寝室に戻った。
ゆっくりとベッドに入った、つもりだった。

「…眠れなくなったのか?」

課長、今起こしてしまったのだろうか、それとも…起きていたのだろうか。

「…ごめんなさい、起こしてしまいましたね。
…身体がちょっと熱くて、お水を…」

「熱か?まさか…、傷のせいで」

「え?…フフフ。それは違いますよ、膿んだりしてませんから大丈夫です。こんな小さな傷で熱なんか出ません。
…課長のせいですよ。課長の“熱”が移ったんです…」

「あ、…。紬…ごめん。その…大丈夫か?」

「大丈夫です」

「もっとこっちに…」

「…はい」

抱き寄せられた。私も課長に腕を回した。

「んー、本当だ。ちょっと身体、熱い気がする」

課長の身体は落ち着いていた。
くっつくと気持ちいいくらい、ひんやりしていた。
…直に触れたら、もっと熱を取ってくれるかも。
いやいや、課長は熱を取るシートじゃないんだからね。

「紬、バンザイ」

「え?あっ…課長!?」

文字通り、腕を万歳状態にされた。
パジャマの裾を掴んでると思ったらスルスルッと引き上げ脱がされた。
あっという間の事だった。

「キャ、課長?!」

「…そして、…こうして、俺が抱きしめて寝れば、熱は下がる、はず」

ロンTのようなパジャマを脱がされたら、ブラとショーツだけなんですけど。
抱きしめられたと思ったら、背中でプチッと音がした。
…途端に開放感が来た。
ブラのホックを外されたのだ。

「…これも、邪魔…」

肩紐をずらして取り去ると、ポイッと投げられてしまった。

「ぁ…、えっ、課長〜」

そんなぁ…。
恥ずかしくて抱き着いた。

「これでいい。俺もパンツだけだし。一緒一緒」

課長。…なんだか…嬉しそうだこと。

「本当に具合は悪くないか?…その…いつもこんなに熱かったっけ?」

…それ聞きます?
なんて答えたらいいのやら。

私にも解りかねます。時と場合によります、と答えればいいのかな。
だって身体の熱がどれだけ上がってるか、明確になんて解らない。

「…今日に限ってだと思います」

「そうか…。それって、やっぱり俺のせいかな…」

「…もう。知りません」

…半分は、ううん…それ以上、ほぼ課長のせいです。

「だったら、やっぱり俺が熱を貰わなきゃな、…責任持って」

ギュッと抱きしめられた。

「あ、気持ちいい…です。…冷たくて」

「はぁ、俺も気持ちいい…。すべすべして柔らかい…紬」

またギュッとされた。…このままで大丈夫かしら。
今日、休みで良かった。身体も凄く怠いし。もう少し甘えて…寝てよう。
ギュッと腕を回して抱き着いた。

「ん?…催促か?」

そんなつもりは勿論無かった。
でも…流されてもいい…この気怠さの中、身を任せ…溺れてしまいたいかもと思ってしまった…。
< 45 / 140 >

この作品をシェア

pagetop