【続】興味があるなら恋をしよう
ふざけたつもりはない。
本気だ。大真面目だ。

紬がもし妊娠しているなら、知らなかったで後悔する事が無いようにと、妊娠、出産の本を買った。

今そうじゃなかったとしても、知識は必要だ。
今後の為にも知っておいた方がいいに決まっている。

紬も、いつ妊娠しても大丈夫な体だって、検査して貰っていたし。
…昼間の時間帯、しかも、この後には仕事が待ち受けているというのに、どうしてもシたかった。
紬は…誰のモノでもない、俺のモノだという、束縛に近い気持ちもあった。いや。…ほぼ嫉妬だ。
あるコトへの嫉妬だ。

俺はいつも気を付けていた。快楽にはとことん夢中で溺れたい。
だけど大事な事だ。そこは流されてはいけない。
だから、何度しようとも、それなりに気を付けていたんだ。
それでも…100パーセント、妊娠しない訳ではない。可能性はゼロではない。
だが、それは物凄く低いはずだ。限りなくゼロに近い。

もし妊娠しているとするならば、あの日だ。
紬が自分の部屋から帰って来た日。
あの日は、衝動に負けた。だから、いつものような万全では無かった。
そして…何より過ぎるのは。
妊娠は、俺じゃ無い場合もあるかも知れない、という事だ。
それは、つまり…。
坂本。
…だけど、結果は妊娠していなかった、という事だ。

だから、俺は、…雄だな。紬を俺のモノだと強く支配したかったのかも知れない。
絶対的に俺だけのモノだと。…情けない雄だ。
普通に紬を抱きたいという欲情と、病院の先生に対するどうしようもない感情。
何より、今も残っているであろう坂本の記憶を紬の身体から完全に消し去りたいという、たぎる感情。全てがない交ぜになった。

…そんな風には見えないように、嫉妬の部分、感情は抑えてシたつもりだ。
逆にふざけていると思ったかも知れない…。

紬が倒れたのは俺のせいだと解っている。
女性の身体はデリケートだ。
大事にしている。だけど、疲れさせている事は確かだ。完全に…俺が悪い。
解っているんだ。
俺が悪いんだけど…紬が可愛くて仕方ないんだよな…。
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