プロポーズはサプライズで

「八重ちゃん、心配かけてごめんね。でも私、嬉しかった」


明日美が頬を染めて笑う。


「これで明日美も安心しただろ。もう川野には国島さんがいるんだし」

「うん」

「そろそろ俺の言うこと聞きなよ」


三笠くんはポケットから、銀色に光るリングを取り出した。
ダイヤモンドでも入っているのか、キラキラと小さくきらめいている。
明日美は息を飲んで彼を見つめた。


「結婚しよ、明日美」


顔を赤くして頷く明日美の手を掴んで指にキスをする、その仕草はまさに王子様。
そして私をちらりと見て、片目をつぶって見せる。


「俺は、他の人間の手を借りなきゃプロポーズできないほどヘタレじゃないよ」


精神的にテンパっている状態で見せられた理想のプロポーズに加えて、悪戯を仕掛けた子供のような顔でにやりと笑われて、興奮しすぎてふっと意識が飛んだ。

ぐらりと傾いた私を国島さんが支えてくれる。


「おい、八重。大丈夫か」

「か、……かっこいい」


倒れがけのうわごとに、明らかに国島さんの顔が不快に変わったのを見て取った。

なんで怒るの。
だって三笠くんは私にとってはアイドルみたいなもんなんだから仕方ないじゃん。


「おい、八重っ。……ったく、気を失うとかどうなってんだ」


呆れたような声で、でも私の体をしっかりと支えてくれる国島さん。

なんとなくぼやけた意識の中で抱き上げられた感覚にホッとする。


確かに三笠くんに対するミーハーっぷりは酷いかもしれないけどさ。

ちゃんとわかってよ。
私が安心して体を預けられるのって、国島さんだけなんだからね。


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