天神学園の問題児再来
真太郎、進化
夕城邸。

この屋敷に剣戟の音が響くのは珍しくない。

古くは夕城 翡翠、夕城 こはく夫婦、指南役の夕城 善、翡翠の息子達の瑠璃、孔雀、めのう、居候だった琴子にその亭主の久遠、今ではほむらなど。

数多の名剣士を輩出してきた、超一流の名門流派。

しかし今日、この屋敷から聞こえてくるのは木人(木組みの組手用人形)を打つ音であった。

「打ち込みが甘い、もっと強く叩くアル」

見ているのは、現・夕城流の奥方である鬼龍。

そして木人を打ち込むのは、意外にも夕城流次期宗主である筈の真太郎であった。

その腰に、川蝉も狂奏丸も帯びてはいない。

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