天神学園の問題児再来

ヴラドの名案

すっきりしない梅雨空のように、花龍のモヤモヤはしばらく続いた。

つかず離れず、というよりは、あの吸血鬼の花嫁発言がなかった事のように振る舞うヴラド。

本人はそれでいいのかもしれないが、そんな事を言われた花龍は堪ったものではない。

こうして放置する事で意識させようとしているのならば、やはり狡猾な吸血鬼だ。

何より、曖昧な状態よりも明確な答えを欲するのは、聡明な母リィに似たのか。

いつまでも現在の状態なのは納得いかなかった。

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